インフラファンドの信用力はどのくらいあるのでしょうか。
信用力を図るうえで、1つの目安となるのでが格付け会社の評価です。
日本の格付け会社では、
・日本格付研究所(JCR)
・格付投資情報センター(R&I)
が有名ですね。
ジャパン・インフラファンド投資法人は、R&Iから「A」の格付けを取得しています。
これは、R&Iから
信用力は高く、部分的に優れた要素がある。
という評価を受けていることを意味します。
ですので、ジャパン・インフラファンド投資法人は、信用力が高い投資法人と言えます。
保有する太陽光発電所の状況はどうでしょうか。
ジャパン・インフラファンド投資法人の保有する太陽光発電所は北陸地方が多めです。
雪の影響が心配ですね。
2018年からインフラファンドに投資している筆者が、ジャパン・インフラファンド投資法人について紹介します。
- スポンサーは大手商社とメガバンク
- 信用格付けはインフラファンド最高位
- 太陽光発電所の一部に積雪の影響
ジャパンインフラファンドの基本情報
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
上場日 | 2020年2月20日 | |
決算月 | 5月、11月 | |
保有太陽光発電所数 | 40 | 第2位 |
パネル出力の合計 | 約103MW | 第4位 |
平均買取価格 | 34.8円 | 第5位 |
格付 | A | R&I |
スポンサー | 丸紅 みずほ銀行 みずほ信託銀行 |
(2022年10月7日時点)
ジャパンインフラファンド投資法人は、最も最近上場されたインフラファンドです。
上場後、2年8か月しかたっていません。
しかし、3回の公募増資を行い、資産規模は3倍以上に拡大しました。
大手商社の丸紅とメガバンクのみずほ銀行がスポンサーについており、今後が期待されるインフラファンドです。
上場来の投資口価格の推移は次の通りです。
(TradingView提供のチャート)
2022年10月7日時点で
- 投資口価格:94,900円
- 予想分配金利回り:6.27%
となっています。
上場後、直ぐにコロナショックがあり、投資口価格が下落しましたが直ぐに回復しました。
その後は、98,500円±8%以内で推移しており、値動きは安定しています。
ジャパンインフラファンドの特徴
ジャパンインフラファンド投資法人は、上場して間もないインフラファンドですが、高い格付けを有しています。
これは、財務基盤が安定しており、信用力が高いことを意味します。
その他、どのような特徴があるのか見てみましょう。
信用力の高い格付け
各インフラファンド投資法人の長期発行体格付けは次の通りです。
インフラファンド | 格付け (JCR) | 格付け (R&I) |
---|---|---|
タカラレーベン・インフラ投資法人 | A | – |
いちごグリーンインフラ投資法人 | – | – |
カナディアン・ソーラーインフラ投資法⼈ | A | A- |
東京インフラ・エネルギー投資法人 | A- | – |
エネクス・インフラ投資法人 | A | – |
ジャパン・インフラファンド投資法人 | – | A |
(2022年10月7日時点)
日本で信用格付けを行う会社は、主にJCRとR&Iの2社があり、正式名称は、
- JCR :日本格付研究所
- R&I:格付投資情報センター
となっています。
格付けは、格付け会社がリスク分析を行い、その信用度を表したもので、一般的には「BBB」以上が投資適格と言われています。
インフラファンドは、どれも「A」の格付けを得ていますので、適格性は問題無いですね。
なお、カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の格付けを見てみると
- JCR :「A」
- R&I:「A-」
となっています。
R&I社の方が少し評価が厳しいことがわかります。
また、ジャパンインフラファンド投資法人は
- R&I:「A」
の格付けのみを取得しています。
これは、インフラファンドの中で最高位であり、カナディアン・ソーラーより高い格付けであることを考慮すると
- JCR:「A+」相当
と言えるかもしれません。
ジャパンインフラファンド投資法人は、最も信用力が高いといって良いと思います。
借入金利が低い
ジャパン・インフラファンド投資法人は高い信用格付けを有していますが、具体的にどのような利点があるのでしょうか。
一つには、借入金の金利が低くなることがあげられます。
ジャパン・インフラファンド投資法人は、長期の借入を変動金利で行っているため、他のファンドと変動金利を比較してみました。
インフラファンド | 借入金の金利 (変動金利) | 格付け (JCR) | 格付け (R&I) |
---|---|---|---|
タカラレーベン・インフラ投資法人 | 基準金利+0.5% | A | |
東京インフラ・エネルギー投資法人 | 基準金利+0.575% 基準金利+0.625% | Aー | |
エネクス・インフラ投資法人 | 基準金利+0.45% 基準金利+0.55% | A | |
ジャパン・インフラファンド投資法人 | 基準金利+0.4% | A |
ジャパン・インフラファンド投資法人の金利は、基準金利+0.4%となっており、最も借入金の金利が低いことがわかります。
資産取得の約半分を借入金でまかなっているインフラファンドにとって、借入金の金利は最も重要な指標の一つです。
北陸地域は積雪の影響あり
ジャパン・インフラファンド投資法人は、上場時には80%以上の太陽光発電所を北陸地方に保有していました。
3回の増資にて地域分散を図り、バランスが取れてきましたが、2022年10月時点でも約27%が北陸地方にあります。
北陸は日本海側に位置し積雪も多い地域です。
太陽光パネルの上に雪が積もると発電力が低下するとともに、その重さによる影響を受ける場合があります。
ジャパンインフラファンド投資法人は2021年1月に降雪の影響を受けました。
- パネル破損等の被害(8物件)
- 架台の変形等(9物件)
補修費用については損害保険より補填されますが、リスクのある資産を抱えていると言えます。
夏冬で利益が大きく違う
ジャパン・インフラファンド投資法人の分配金の推移です。
特徴として11月期の利益分配金が多く、5月期の利益分配金が少なくなっています。
これは、5月期(12月~5月)の発電量が少なく収益を得られていないためと考えられます。
北陸地方などの日本海側の降雪地域は、冬の日射量が少ないからではないでしょうか。
賃料スキームは少し厳しめ
インフラファンドは太陽光発電所を資産運用会社に賃貸し、太陽光発電の売電収入をもとにした賃料を得ています。
賃料は、基本賃料と実績連動賃料からなり、
- 基本賃料:最低保証賃料
- 実績連動賃料:予想発電量を上回った場合の割り増し
となっています。
ジャパン・インフラファンド投資法人の賃料スキームは、
基本賃料 | 発電量予想値(P50)×70%-必要経費 |
実績連動賃料 (P50まで) | 売電収入の100%-必要経費 |
実績連動賃料 (P50以降) | 売電収入の50%-必要経費-SPC積立原資 |
となっており、基本賃料が低めで、実績連動賃料は多くのインフラファンドと同程度の増加率です。
最低保証賃料が低い分、少し厳しめの賃料スキームと言えますね。
今後の動向、将来性
ジャパン・インフラファンド投資法人は今後、どのような太陽光発電所を取得していくのでしょうか。
2022年5月期の資産運用報告には、
- ポートフォリオ分散の進展
- 太陽光以外や公営施設等の組入れ
- パイプラインの合計は約200MW
と記載されています。
パイプラインの詳細は示されていませんが、発電量が多く見込める地域に太陽光発電所が取得できるかが今後のカギになると思います。
以上、参考になれば幸いです。
タカラレーベンインフラ投資法人についても記事を書いています。
【純利益による分配金】タカラレーベンインフラ投資法人(9281)の魅力