エネクスインフラ投資法人(9286)が手元資金で発電所を取得、増資との違い

エネクス・インフラ投資法人が手元資金で発電所を取得、増資との違い インフラファンド

※当記事はプロモーションを含みます。

エネクス・インフラ投資法人が手元資金で太陽光発電所を取得しました。

インフラファンドが新たに太陽光発電所を取得する場合は一般的に増資を行い資金調達します。

太陽光発電所を新規に取得すれば収益も増えます。

しかし、増資により取得した場合は、投資口数も増えるため、投資口1口あたりの収益が増えるとは限りません。

ひろに
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手元にある資金で発電所を購入するとどうなるのでしょうか

手元資金で新たな太陽光発電を取得すると、その収益は、そのまま、現在の投資口の収益を高めることになります。

インフラファンドの価値が上がったと言うことですね。

今回、エネクス・インフラ投資法人が取得した太陽光発電所の詳細と投資口の価値がどの程度向上したかを確認してみました。

  • 取得した太陽光発電所は収益の向上が期待できる
  • 手元資金による取得は投資口の価値を確実に上げる
  • 手元資金での太陽光発電所の取得は3例目
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エネクス・インフラ投資法人の基本情報

エネクス・インフラ投資法人は2019年2月に上場されたインフラファンドです。

インフラファンドは全部で7銘柄あり、エネクス・インフラ投資法人は6番目に上場された新しいファンドです。

エネクス・インフラ投資法人の基本情報は次の通りです。(2021年3月末時点)

項目内容備考
証券コード9286
上場日2019年2月13日
太陽光発電所保有数7インフラファンド第7位
太陽光パネル合計出力139.8MWインフラファンド第2位
電気の平均買取価格33.2円/kWhインフラファンド第7位
発行済み投資口数349,075口
投資口1口の価格94,900円2021年4月26日時点
予想分配金利回り6.3%2021年4月26日時点
格付けJCR
スポンサー伊藤忠エネクス
三井住友信託銀行
マーキュリアイインベストメント他

太陽光パネル合計出力の約70%を占める松坂太陽光発電所を中心に少数精鋭の発電所を保有しているインフラファンドです。

他のインフラファンドに比べ発電所の数が少なく、かつ、松坂太陽光発電所に集中しているため、災害リスクは高めと言えます。

松坂太陽光発電所の電気の買取価格が32円/kWhとなっており、他のインフラファンドに比べ、平均買取価格が低くなっています。

しかし、実績のあるスポンサーが付いており、日本格付研究所(JCR)の格付けもインフラファンド最高位のA評価となっています。

取得した新城太陽光発電所の概要

2021年4月26日に取得した新城太陽光発電所の概要は次の通りです。

項目内容
名称新城太陽光発電所
所在地愛知県新城市
太陽光パネル出力1,540kW
電気の買取価格40円/kWh
想定基本賃料(年間)約52,000千円(注)

(注:想定基本賃料の2年目から11年目までの平均)

愛知県はエネクス・インフラ投資法人が初めて太陽光発電所を取得する都道府県になりますので、設備の分散効果が期待できます。

また、比較的日射量の多い太平洋側であり、効率の良い太陽光発電が期待できます。

電気の買取価格40円/kWhは固定価格買取制度の中で最も高い価格です。

この太陽光発電所の取得により、エネクス・インフラ投資法人の平均買取価格は

33.2円/kWh→33.6円/kWh

に改善しました。

基本賃料の約52,000千円は投資口1口当たりに換算すると約150円になります。

全て分配されれば、利回りを0.25%押し上げる効果があります。
(分配金:6,000円が6,150円になると仮定)

太陽光発電所の取得方法(増資又は手元資金)の違いにおける投資口の価値を比較

インフラファンドが新たに太陽光発電所を取得する場合は一般的に増資を行い資金調達します。

これは、インフラファンドの利益は90%以上を投資主に分配するため、新しい発電所を取得するための資金に回らないからです。

増資により太陽光発電所を取得した場合は収益も増えますが、投資口数も増えるため、投資口1口あたりの収益が必ず増えるとは限りません。

エネクス・インフラ投資法人は2020年12月2日に松坂太陽光発電所を取得しました。

これは増資による取得です。

この時の投資口1口あたりの収益の変化を見てみます。

エネクス・インフラ投資法人の2020年11月30日(第3期)の決算資料によると

・営業収益:1,570百万円
・投資口数:91,825口

となっています。

松坂太陽光発電所を取得する前の1口当たりの営業収益は約17,098千円となります。

松坂太陽光発電所の営業収益(基本賃料)の想定は約2,728百万円です。
(想定基本賃料の1年目から10年目までの平均)

増資による追加投資口は257,250口でした。

これを合わせると

・営業収益:約4,298百万円(想定)
・投資口数:349,075口


となり、1口当たりの営業収益は約12,311千円に変わりました。

1口当たりの営業収益は

約12,311千円-約17,098千円=-4,787千円

となり、4,787千円下がる計算になります。

増資により松坂太陽光発電所を取得したことにより、投資口の価値が下がってしまいました。

これは投資口価格の変化にも反映されています。

・2020年11月26日:終値104,600円
・2020年12月1日:終値87,600円

となり、短期間で17,000円下がっています。

分配金6,000円の権利落ちを考慮しても大きく値を下げました。

エネクスインフラ投資法人の投資口価格推移

今回の新城太陽光発電所の取得はどうでしょうか。

新城太陽光発電所の営業収益(基本賃料)の想定は約52百万円です。

手元資金による取得ですので、投資口の追加はありません。

松坂太陽光発電所を取得した後の数値にさらに加えると

・営業収益:約4,350百万円(想定)
・投資口数:349,075口

となり、1口当たりの営業収益は約12,460千円となりました。

1口当たりの営業収益は

約12,460千円-約12,311千円=149千円

となり、149千円上がる計算になります。

投資口の価値が向上しました。

まとめると次のようになります。

2020年11月30日
(第3期決算)
松坂発電所の取得
(増資)
新城発電所の取得
(手元資金)
営業収益(想定)1,570百万円約4,298百万円約4,350百万円
投資口総数91,825349,075349,075
投資口1口の営業収益約17,098千円約12,311千円約12,460千円

インフラファンドの手元資金による太陽光発電所は3例目

エネクス・インフラ投資法人は、今回、手元資金で新城太陽光発電所を購入したことにより、投資口の価値を向上させました。

過去のインフラファンドにおける太陽光発電所の新規取得は23例あります。

資金調達方法の違いによる内訳は次の通りです。

資金調達方法事例
増資14例
借入7例
手元資金2例

エネクス・インフラ投資法人の新城太陽光発電所は手元資金による取得の3例目になります。

(他の2例はタカラレーベン・インフラ投資法人とカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人です。)

手元資金で太陽光発電所を増やしているインフラファンドは、投資口の価値が着実に増えていると思います。

以上、参考になれば幸いです。

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