インフラファンドは太陽光発電所の売電収入をもとに収益を得ています。
太陽光発電は安定して収益を得られる投資先ですが、リスクはないのでしょうか。
大きなリスクとしては
- 天候リスク
- 災害リスク
- 出力制限リスク
の3つが考えられます。

リスクの少ないインフラファンドに投資したいですよね。
日本再生可能エネルギー投資法人は、
- 最低保証賃料が高い→天候による収益の低下は少ない。
- 太陽光発電所が全国に広く分布→災害による被害の度合いを減らせる
- 九州の保有リスクが高くない→出力制限リスクが小さい
など、リスクの少ないインフラファンドと言えます。
収益が安定しており、高利回りなインフラファンドでリスクが少ないとなれば、長期の投資先としては有望ですよね。
元投資主でもある筆者が日本再生可能エネルギー投資法人について紹介します。
(日本再生可能エネルギー投資法人は2022年8月に上場廃止となりました。)
- 発電所保有数No.1、全国に広く分散
- 変動の少ない賃料スキーム
- スポンサーパイプラインが多く今後の成長に期待
日本再生可能エネルギーの基本情報
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
上場日 | 2017年3月29日 | |
決算月 | 1月、7月 | |
保有太陽光発電所数 | 55 | 第1位 |
パネル出力の合計 | 約109MW | 第4位 |
平均買取価格 | 36.6円 | 第4位 |
格付 | A- | R&I |
スポンサー | リニューアブルジャパン 東急不動産 |
(2021年11月8日時点)
日本再生可能エネルギー投資法人は、太陽光発電所の保有数が一番多いインフラファンドです。
スポンサーには、再生可能エネルギー事業を専業で行うリニューアブル・ジャパンが付いています。
また、2020年3月には、東急不動産がスポンサーとして参画しました。
この参画により、投資法人としての信頼性の向上と太陽光発電所の取得機会の増加が見込まれます。
上場来の投資口価格の推移は次の通りです。

(TradingView提供のチャート)
2021年11月6日時点で
- 投資口価格:108,500円
- 予想分配金利回り:5.90%
となっています。
投資口価格は、上場直後とコロナショックにより大きく上下しましたが、最近は安定して推移しています。
日本再生可能エネルギーの特徴
リスクが少ないと言われる日本再生可能エネルギー投資法人ですが、どのような特徴があるのでしょうか。
主な特徴を見てみます。
全国に分散されたポートフォリオ

日本再生可能エネルギー投資法人の太陽光発電所の地域比率です。
30%以上を占める地域が無く、全国的に分散されポートフォリオと言えます。
分散されたポートフォリオは、1つの地域に災害が発生しても全体で見た影響度を小さくすることができ、災害リスクに強いと言えます。
また、天候リスクについても同じように軽減効果があり、九州比率も比較的少ないため、出力制限リスクに対応できます。
最低保証賃料が高い賃料スキーム

日本再生可能エネルギーの賃料スキームは、
・最低保証賃料=発電量予想値P50ー経費
となっています。
これはインフラファンドの中で1番高い基本賃料であり、発電量がどんなに少なくても、平均的な発電量の賃料が保証されています。
その分、実績連動賃料は少なく押さえられていますが、賃料の変動が少ないと言うことは、収益変動リスクが少ないと言えますよね。
発電量実績と賃料実績の推移は次の通りです。

発電量が上下しても、賃料はほぼ一定に保たれていることがわかります。
公募増資により着実に資産規模拡大

日本再生可能エネルギー投資法人の資産規模と太陽光発電所数の推移です。
上場後、5回の公募増資により約4年で資産規模が約5倍となっています。
資産規模が大きくなると運営経費の効率化が可能、財務的な信用度が高くなるなど、利益の向上が期待できます。
スポンサーは専業事業者
メインスポンサーであるリニューアブル・ジャパンは、開発から管理・運営に携わる再生エネルギーの専業事業者です。
開発から発電に至るまですべての段階に関与することで、全工程を見据えた最適化を行うことが可能です。
主要拠点は全国に28か所あり、8つの地方公共団体と立地協定を締結しています。
- 一関市(岩手県)
- 気仙沼市(宮城県)
- 伊豆の国市(静岡県)
- 松坂市(三重県)
- 吉野町(奈良県)
- 南阿蘇村(熊本県)
- 垂水市(鹿児島県)
- 肝付町(鹿児島県)
リニューアブル・ジャパンは立地協定を起点に地域密着型の電源開発受託ビジネスを展開しています。
太陽光発電のプロがスポンサーに付いていると言えますよね。
今後の動向・将来性

メインスポンサーであるリニューアブル・ジャパンからのスポンサーパイプラインは463MWあります。
これは、インフラファンドの中では最大級の規模です。
また、2020年3月よりスポンサーに参画した東急不動産は、計1,197MWの再生可能エネルギー事業を行っており、こちらからの物件紹介も期待できます。
スポンサーパイプラインの詳細は開示されていませんが、収益性の高い物件を取得して、規模の拡大が図られることを期待しています。
以上、参考になれば幸いです。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人についても記事を書いています。
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