タカラレーベン不動産投資法人(通称タカラリート、証券コード:3492)から分配金計算書とともに第6期資産運用報告書が届きました。
タカラリートは、分配金利回りが5%以上の高配当銘柄で、オフィス、住宅、ホテル、商業施設に投資する総合型J-REITです。(2021年5月18日時点)
通常、J-REITは不動産を保有し、その賃貸収入を得て投資家に利益を分配します。
でも、保有している不動産の価値を高めてから売却して利益を得る方法もあります。
売却はうまく価値を高めることができれば大きな利益を生み出すことが可能ですが、様々なノウハウが必要であり簡単ではありません。
特にJ-REITの場合は、この辺のノウハウはスポンサーの力に依存することが多いのではないでしょうか。
タカラリートは得意分野の異なる4社のスポンサーがついているJ-REITです。
この4社のスポンサーの総合力により、不動産の売買を通じて利益を上げています。
私のJ-REITの主力銘柄の1つタカラレーベン不動産投資法人を紹介します。
- 高利回りの総合型J-REIT
- スポンサー総合力で積極的に資産入替
- 売買益で分配金UP、投資主優待も
タカラレーベン不動産投資法人の基本情報
証券コード | 3492 |
上場日 | 2018年7月27日 |
決算月 | 2月、8月 |
投資口価格 | 116,800円 |
分配金利回り | 5.14% |
(2021年5月18日時点) |
保有不動産:オフィス:18件、住宅:9件、ホテル:4件、商業・その他:5件
(2021年2月28日時点)
用途比率はオフィス割合が高めですが、オフィスの市場規模はJ-REIT全体で41%を占めますので、大きな問題はありません。
地域比率も東京、大阪、名古屋の3大都市圏で72%となっており、標準的な配分ではないでしょうか。
バランスの取れた総合型J-REITと言えますね。
タカラレーベン不動産投資法人のスポンサー
タカラレーベン不動産投資法人の不動産は4社あります。
・タカラレーベン
・PAG
・共立メンテナンス
・ヤマダホールディングス
それぞれ、総合不動産開発、投資運用会社、寮・ホテル運営、流通大手企業と異なる分野でノウハウの会社です。
タカラレーベン
1972年に設立され、東証1部上場企業です。
マンションや戸建ての開発・企画・販売、リニューアルや不動産賃貸・管理事業を行っています。
自社ブランドマンションとして「レーベン」「ネベル」シリーズがあります。
PAG
アジア最大級の資産運用会社です。
年金や政府機器を初めとした幅広いグローバルな投資家層をもつ資産運用会社であり、高い資金調達力を持っています。
共立メンテナンス
寮、ビジネスホテル及びリゾートホテルの管理運営を主な事業内容とする東証一部上場企業です。
ビジネスホテルの「ドーミーイン」やリゾートホテルの「ラビスタ」を運営しています。
1996年に高齢者向け住宅事業を開始して事業を拡大させています。
ヤマダホールディングス
全国にネットワークを持つ家電流通業の国内最大手、ヤマダデンキの持ち株会社です。
家電と親和性の高い住宅、リフォーム、住宅設備機器も手掛けており、新業態店舗「家電住まいる館」の開発・展開にも注力しています。
スポンサーの強みを活かした総合力
タカラレーベン不動産投資法人のスポンサーはそれぞれ異なる分野でノウハウを持っており、協力することとで大きなシナジー効果を発揮します。
例えば、
企画・開発力:タカラレーベン
資金調達力:PAG
不動産運用力:共立、ヤマダ
に強みがありますので、企画開発から資金調達、運用まで、トータルで不動産を扱うことができます。
投資不動産の用途別でも
オフィス・住宅:タカラレーベン
ホテル・ヘルスケア:共立
商業施設:ヤマダ
に強みがあり、流通業大手のヤマダは物流にもノウハウがあると考えれが、J-REITが投資する5種類の不動産全てに精通していると言えます。
タカラレーベンインフラ投資法人の第6期の実績
タカラレーベンインフラ投資法人は4社のスポンサーの強みを活かし、保有する物件の賃貸料を得るのと同時に積極的に資産を入替ながら成長しています。
第6期(2021年2月期)の実績としては、5つのオフィスビルを売却しました、その売却益をもとに第7期以降で、住宅、オフィスビル、3つの商業施設(底地)を取得予定です。
項目 | 売却資産内容 |
---|---|
譲渡価格総額 | 10,407百万円 |
平均築年数 | 22.7年 |
NOI利回り | 4.14% |
項目 | 取得資産内容 |
---|---|
取得予定価格 | 7,530百万円 |
平均築年数 | 5.5年 |
NOI利回り | 4.21% |
この資産の入替により
・2,877百万円の利益
・保有不動産の平均築年数の改善
・賃貸料利回りUP
・資産の用途比率の適正化
を達成しました。
得られた利益は次期以降の分配金に反映される予定です。
その他、第6期の実績としては
・予想分配金を3,000円から3,100円に上方修正
・投資格付け会社R&Iから「A-」を取得
となっています。
新型コロナウイルスの影響が残る中、分配金をUPできるのは素晴らしいですね。
まとめ
タカラレーベン不動産投資法人は、タイプの異なる4社のスポンサーの総合力で、不動産賃貸だけではなく、資産の入替を積極的に行い成長しています。
資産の入替は売買益を得ると同時に用途や地域比率の適正化も行えるため、市場状況に合わせ効率良く利益をあげることができます。
なお、ヤマダホールディングスがスポンサーであることの特典として、10口以上を保有するとヤマダデンキで使える「お買い物優待券」(合計2,500円相当)がもらえます。
タカラレーベン不動産投資法人は高利回りのJ-REITですが、優待を加えるとさらに利回りが増えますね。
以上、参考になれば幸いです。
スターアジア不動産投資法人についても記事を書いています。
【高配当J-REIT】スターアジア不動産投資法人(3468)の多彩な投資先