マリモ地方創生リート投資法人(証券コード:3470)から第9期資産運用報告書と分配金計算書が届きました。
マリモ地方創生リート投資法人はJ-REITの利回りランキングで常に上位にいるリートです。
「地方創生」の名の通り、主に東京圏以外の地域に投資するリートとなっています。
地方に投資すると利回りが高くなるのでしょうか。
地方に投資するからという単純な理由ではありません。
地方への投資に加え投資先も工夫されています。
マリモリートの資産運用報告書をもとに安定して配当利回りが高い理由を解説します。
②高利回りの理由は地方への投資
③さらに利益超過分配金がある
マリモリートの投資先とその特徴
マリモ地方創生リート投資法人は、地方創生の名のもとに主に東京圏以外の住宅と商業施設に投資しています。
投資先を詳しくみてみると、
地域別投資比率は
・東京圏(東京近郊1都3県):30%以下
・地方(東京圏以外):70%以上
地方はさらに
・地方都市(人口20万人以上)
・その他地域
に分かれており
中心となる投資先は
・地方都市にある住宅
・地方にある生活密着型の商業施設
となっています。
投資先の1つである住宅は、オフィスビルなどに比べ1棟あたりの入居者数が多いという特徴があります。
入居者の職業は多岐に渡りますので、分散効果により景気の変動を受けにくくなります。
また、契約期間が比較的短いため物価上昇に追随しやすい特徴もあります。
生活密着型の商業施設は、生活必需品の販売をメインにしているため、景気の変動に左右されず安定した収益をあげられます。
このようにマリモ地方創生リート投資法人の投資先は安定した配当が期待できる不動産となっています。
地方への投資は利回りが高い
地方は地価が安いため不動産への投資額も安く済みます。
また、投資物件数が少なく競争原理が働きにくく賃料を比較的高く設定しやすいと考えられます。
よって、少額の投資で多くの賃料が得られるため高い利回りが期待できます。
しかし、地方は人口減少率が大きく、空室リスクが高いと言えます。
この空室リスクを回避できれば利回りの低下が抑えられます。
その点、マリモリートは住宅の投資先を地方都市に限定しており好感が持てます。
高い利回りの不動産に投資できれば配当が増えますよね。
利益超過分配金による配当の上積み
地方の不動産に投資するもう一つの利点としては、減価償却費を原資とした利益超過分配金が出せることがあげられます。
不動産の内訳は建物と土地になりますが、マリモリートの投資先は主に地方であるため土地代が安くなります。
このため、資産額でみると減価償却可能な建物の割合が多くなり、毎年、多額の減価償却費が計上されます。
マリモリートは減価償却費の一部を利益超過分配金として投資主に還元しているため、配当が高くなります。
実際にマリモリートの第9期の分配金(配当)は
投資口1口の分配金(配当)
・通常の分配金:3,136円
・利益超過分配金:410円
となっており、利益超過分配金により配当が約13%上積みされています。
マリモリートは減価償却費の30%を利益超過分配金として投資主に還元する方針をとっており、今後も配当の上積みが期待できます。
まとめ
マリモ地方創生リート投資法人が安定して高配当な理由は
①安定した収益の見込める地方都市の住宅と地域密着型の商業施設に投資している
②地方への投資は高利回りが見込める(ただし空室リスクに注意)
③利益超過分配金による配当の上積みがある
となります。
以上、参考になれば幸いです。
J-REITについてはタカラレーベン不動産投資法人の記事も書いています。
【高利回り+優待】タカラレーベン不動産投資法人(3492)のスポンサー総合力