【J-REIT】日銀買い入れ銘柄と今後対象になりそうな銘柄

Jリートの日銀買い入れ銘柄と今後対象になりそうな銘柄 J-REIT

※当記事はプロモーションを含みます。

日本銀行(日銀)はTOPIX(東証株価指数)などに連動するETFを買い入れています。

金融緩和政策の一環として行われますが、投資家の立場からすると株価の下支えとなり安心感がありますよね。

日銀は国内株式の他にJ-REITも買い入れています。

J-REITも株式と同じように指数連動のETFで市場全体を買い入れているのでしょうか。

ひろに
ひろに

日銀はJ-REITの個別銘柄を買い入れています。

となれば、J-REITで日銀の下支えを望む場合、購入対象は日銀買い入れ銘柄から選ばなければなりません。

日銀が5%以上保有している銘柄は大量保有報告書により調べることができます。

J-REITの投資を2017年から続けている筆者が、日銀の買い入れ銘柄を調べるとともに今後対象になりそうな銘柄を考察してみました。

  • 日銀買い入れ対象は格付けAA以上
  • 大量保有報告書から日銀の買い入れ23銘柄をリストUP
  • 格付けAA以上、格付けA+以上から今後の対象を考察
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日本銀行のJ-REIT買い入れ条件

日本銀行

日本銀行のJ-REIT買い入れ条件は、指数連動型上場投資信託受益権等買入等基本要領に記載されています。

この基本要綱の3項(2)に次の通り書かれています。

「不動産投資法人投資口にあっては、当該投資口を発行する投資法人の債務が、「適格担保取扱基本要領」に定める適格担保基準を満たすものであること。」

「また、原則として、金融商品取引所において売買の成立した日数が年間200日以上あり、かつ当該金融商品取引所で行われた年間の売買の累計額が200億円以上であること。」

適格担保取扱基本要領の別表には担保の種類ごとの適格基準があり、不動産投資法人債の基準は、

「投資法人が発行するものであって、適格格付機関からAA格相当以上の格付を取得していること」

と書かれています。

つまり、日本銀行のJ-REITの買い入れ条件は

・格付けAA以上
・年間の売買日数200日以上
・年間の売買累計額200億円以上


ということになります。

格付けAA以上

2022年1月末時点でJ-REITの銘柄数は61銘柄です。

このうち、格付け会社のJCRまたはR&Iから「AA」以上に格付けされているのは37銘柄あります。

格付けは「AAA」から「D」まであり、「AA」は最高位に次ぐ高い格付けです。

J-REITの半数以上が格付け「AA」以上であること考えると、改めてJ-REITは信用度の高い投資信託であると言えますね。

格付け「AA」は実際には「AA-」「AA」「AA+」の3つに分かれますがここでは1つの格付けとしています。

年間の売買日数200日以上

J-REITは常に市場で売買されています。

規模の小さい銘柄でも、売買されない日はほとんど無いのではないでしょうか。

東京証券取引所の年間営業日は245日程度です。

上場してから1年以上の銘柄は「年間の売買日数200日以上」の条件をクリアしていると思います。

年間の売買累計額200億円以上

この条件は、例えば、投資口価格15万円の銘柄が1日平均550口売買されれば達成できますよね。

15万円×550口×245日≒202億円

J-REITの中でも時価総額の低い銘柄、流動性の低い銘柄は達成できない可能性がありますが、J-REITの多くの銘柄は達成できるのではないでしょうか。

ですので、条件として一番厳しいのは格付け「AA」以上だと思います。

日本銀行のJ-REIT買い入れ銘柄を選ぶには、まず、格付けAA以上であることを確認することが重要です。

日本銀行のJ-REIT買い入れ銘柄

証券取引

では、実際に日本銀行はどのJ-REITを買い入れているのでしょうか。

全てを知ることはできませんが、5%以上の投資口を保有した場合は大量保有報告書を提出する必要があり、日本銀行も例外ではありません。

この報告書は金融庁のEDINETで見ることができます。

(提出者を日本銀行として、書類種別で大量保有報告書を選択して検索します。)

投資口保有割合5%以上の銘柄

日本銀行の投資口保有割合が5%以上の銘柄は次の通りです。

大量保有報告書提出日証券コードJ-REIT銘柄保有割合
2021年1月7日8968福岡リート投資法人9.48%
2021年1月7日3292イオンリート投資法人6.10%
2020年12月21日8952ジャパンリアルエステイト投資法人9.36%
2020年12月21日3309積水ハウス・リート投資法人5.01%
2020年12月4日8987ジャパンエクセレント投資法人9.45%
2020年12月4日8960ユナイテッド・アーバン投資法人9.25%
2020年12月4日3279アクティビア・プロパティーズ投資法人7.40%
2020年11月6日8951日本ビルファンド投資法人8.26%
2020年8月6日8956NTT都市開発リート投資法人5.02%
2020年7月21日8967日本ロジスティクスファンド投資法人9.16%
2020年7月6日3462野村不動産マスターファンド投資法人8.09%
2020年7月6日3226日本アコモデーションファンド投資法人9.25%
2020年6月19日3234森ヒルズリート投資法人6.02%
2020年5月21日8957東急リアル・エステート投資法人9.23%
2020年5月21日3281GLP投資法人6.08%
2020年5月11日3249産業ファンド投資法人7.24%
2020年4月21日3283日本プロロジスリート投資法人6.05%
2018年8月6日8955日本プライムリアルティ投資法人7.10%
2017年11月7日8954オリックス不動産投資法人6.10%
2017年7月6日3269アドバンス・レジデンス投資法人6.12%
2017年5月9日8977阪急阪神リート投資法人5.00%
2016年5月19日8984大和ハウスリート投資法人5.02%
2016年5月19日8964フロンティア不動産投資法人5.02%

(2023年1月5日時点)

全部で23銘柄ありました。

なお、日本銀行の指数連動型上場投資信託受益権等買入等基本要領には、買入限度も記載されています。

それによるとJ-REITの買入限度は投資口総数の10%以内となっています。

保有率が9%以上の

・福岡リート投資法人
・ジャパンリアルエステイト投資法人
・ジャパンエクセレント投資法人
・ユナイテッド・アーバン投資法人
・日本ロジスティクスファンド投資法人
・日本アコモデーションファンド投資法人


は上限に近づいていますので、これ以上の買い入れは期待できませんね。

変更報告書の提出

投資口割合5%以上で大量保有報告書を提出した銘柄は、その後、投資口割合が減っても増えても変更報告書を提出する必要があります。

この報告書も金融庁のEDNETで見ることができます。

実際に検索したところ、変更申請書の最終提出は、令和3年1月7日になっていました。(2022年6月18日時点)

これは、1年以上、大量保有銘柄の売買が行われていないと言う事になります。

日本銀行が5%以上保有している銘柄は、今後の購入があまり期待できないかもしれません。

EDNETで検索する場合は、提出者を日本銀行、書類種別を大量保有報告書として検索します。報告書が出てこない場合は、提出期間を全期間にします。

買い入れの可能性がある銘柄

日本銀行の買い入れ条件の1つは格付け「AA」以上です。

この条件をクリアしていれば、格付け会社から高い評価を受けていますので、他の買い入れ条件もクリアしている可能性が高いです。

格付けAA以上の銘柄

大量保有報告書は提出されていませんが、格付け「AA」以上の銘柄を調べてみました。

証券コードJ-REIT銘柄JCR
格付け
R&I
格付け
2979SOSiLA物流リート投資法人AA-
3278ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人AA-
3282コンフォリア・レジデンシャル投資法人AA-
3295ヒューリックリート投資法人AA
3453ケネディクス商業リート投資法人AA-
3466ラサールロジポート投資法人AA
3471三井不動産ロジスティクスパーク投資法人AA
3481三菱地所物流リート投資法人AA
3493アドバンス・ロジスティクス投資法人AA-
8953日本都市ファンド投資法人AAAA-
8958グローバル・ワン不動産投資法人AA-
8961森トラスト総合リート投資法人AA
8966平和不動産リート投資法人AA-
8972ケネディクス・オフィス投資法人AA
8976大和証券オフィス投資法人AAAA-
8986大和証券リビング投資法人AA-A+

(2023年1月3日時点)

全部で16銘柄です。

これらの銘柄は保有割合5%未満の範囲で、日本銀行の買い入れ銘柄となっている可能性があります。

まだ、買い入れ限度までに十分な余裕がありますので、この中で、利回りの高い銘柄があればねらい目かもしれません。

新しく格付AA以上になった銘柄

2022年1月以降で格付けが上がり、新しく「AA」となった銘柄を調べてみました。

証券コードJ-REIT銘柄格付け変更
(JCR)
変更時期
3278ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人「A+」→「AA-」2022年1月
2979SOSiLA物流リート投資法人「A+」→「AA-」2022年2月
8966平和不動産リート投資法人「A+」→「AA-」2022年6月

新しく買い入れ対象になった銘柄は、真っ先に買い入れられる可能性があると思います。

日本銀行は、2022年の2月と6月にJ-REITの買い入れを行いました。

これらの銘柄が購入されたかもしれませんね。

日銀のJ-REIT買い入れ状況は、日本銀行のHPで確認することができます。

今後、対象になる可能性のある銘柄

日本銀行の買い入れ条件は、格付け「AA」以上ですが、その一つ前段階の格付け「A+」の銘柄はどのくらいあるのでしょうか。

これらの銘柄が成長し、格付け「AA」になれば、買い入れ対象になる可能性が高くなります。

JCRまたはR&Iから格付けが「A+」に指定されている銘柄を調べてみました。

証券コードJ-REIT名称JCR
格付け
R&I
格付け
3290Oneリート投資法人A+
3296日本リート投資法人A+
3455ヘルスケア&メディカル投資法人A+
3476投資法人みらいA+A
3487CREロジスティクスファンド投資法人A+A
8975いちごオフィスリート投資法人A+
8985ジャパン・ホテル・リート投資法人A+A

(2023年1月3日時点)

7銘柄あります。

これらが成長して日本銀行の買い入れ対象になった場合は、価格が上昇するかもしれませんね。

比較的、利回りの高い銘柄も含まれていますので、購入検討の価値があるかもしれません。

日本銀行が買い入れているJ-REIT

日本銀行が買い入れてているJ-REITや買い入れて対象となりそうな銘柄を紹介しました。

J-REITの日銀買い入れ対象は
  1. 格付けAA以上
  2. 5%以上保有しているのは23銘柄
  3. 保有している可能性があるのは16銘柄
  4. 将来可能性がある格付けA+は7銘柄

すでに買い入れられている銘柄は、投資口価格に織り込まれていると思われます。

将来性買い入れ対象となりそうな銘柄から、自分の投資方針に合うものを選んでみるのも良いかもしれません。

以上、参考になれば幸いです。


J-REITのグローバル指数の採用銘柄についても記事にしています。
【J-REIT】MSCIやFTSEグローバル株価指数の採用銘柄を調べてみた



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