スターアジア不動産投資法人(証券コード:3468)をご存じですか。
J-REITの利回りランキングで常に上位にいる総合型の高配当リートです。
総合型とは3種類以上の不動産に投資しているJ-REITのことを言います。
投資先が分散していると景気の影響を受けにくくなり、リスクが低減しますよね。
総合型の中でも、より多彩な投資先を持っているのが、スターアジア不動産投資法人です。
先日、分配金とともに第10期の資産運用報告書が届きました。
私のJ-REIT投資の主力銘柄でもある、スターアジア不動産投資法人について紹介します。
②J-REITで始めてメザニンローン債券へ投資
③今後のねらいは学生専用マンション
スターアジア不動産投資法人は分散効果の高い総合型J-REIT
スターアジア不動産投資法人は「総合型」のJ-REITです。
J-REITの主要な投資先は「オフィス」「商業施設」「住居」「物流施設」「ホテル」の5種類です。
このうち3種類以上に投資しているJ-REITを「総合型」と呼びます。
投資先を分散することにより、景気による影響も分散され、全体としてリスクの少ないJ-REITとなります。
そうであるなら、3種類と言わず5種類に分散投資しした方が、よりリスクの少ない銘柄と言えますよね。
J-REITは全61銘柄ありますが、「オフィス」「商業施設」「住居」「物流施設」「ホテル」の5種類全てに投資しているものは6銘柄しかありません。
5種類に分散投資されたJ-REITとその投資比率は次の通りです。
証券コード | J-REIT | オフィス | 商業施設 | 住宅 | 物流施設 | ホテル | その他 | 参照した決算報告書 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8954 | オリックス不動産投資法人 | 54.9% | 15.7% | 10.0% | 5.5% | 13.9% | — | 2020年11月期 |
8960 | ユナイテッド・アーバン投資法人 | 28.1% | 29.3% | 7.6% | 6.2% | 24.5% | 4.2% | 2020年11月期 |
8968 | 福岡リート投資法人 | 27.7% | 58.0% | 4.1% | 8.0% | 2.2% | — | 2021年2月期 |
8984 | 大和ハウスリート投資法人 | — | 15.0% | 30.1% | 49.6% | 1.9% | 3.3%注 | 2020年8月期 |
3462 | 野村不動産マスターファンド投資法人 | 44.4% | 16.7% | 18.9% | 18.9% | 0.6% | 0.5% | 2021年2月期 |
3468 | スターアジア不動産投資法人 | 40.8% | 9.2% | 19.5% | 18.2% | 12.3% | — | 2021年1月期 |
注:オフィスを含む
5種類の不動産に分散投資されたJ-REITの中でもその配分は様々ですね。
投資先への配分があまりにも少ない銘柄は分散投資の効果も少なくなってしまいます。
5種類の不動産それぞれに少なくとも5%以上配分している銘柄に絞れば、
・オリックス不動産投資法人
・ユナイテッド・アーバン投資法人
・スターアジア不動産投資法人
の3銘柄になります。
なお、投資比率は均等な方が良いと言うわけではありません。
不動産の種類ごとに市場規模が異なります。
市場規模が小さい不動産への投資比率が高い場合は、リスクも高くなってしまいます。
J-REIT全体の各不動産への投資比率は次の通りです。
不動産の種類 | 投資比率 |
---|---|
オフィス | 40.7% |
商業施設 | 16.4% |
住宅 | 14.0% |
物流施設 | 18.4% |
ホテル | 7.9% |
その他 | 2.7% |
(2021年3月時点)
引用元:一般社団法人 不動産証券化協会 統計データのポートフォリオデータ(リンク)
このJ-REIT全体の投資比率とスターアジア不動産投資法人の投資比率を比較すると次のようになります。
どうでしょうか。
スターアジア不動産投資法人はJ-REIT全体とかなり近い比率で各不動産に投資していますよね。
スターアジア不動産投資法人はJ-REITの中でも一番分散効果の高い総合型J-REITと言えるのでは無いでしょうか。
スターアジア不動産投資法人はJ-REITで初めてメザニンローン債券に投資
メザニンローン債券とは何でしょうか。
なんだか難しい名前ですよね。
メザニンとは「中2階」という意味です。
通常、不動産を購入する場合は「手持ちのお金(資本金等)」と「銀行等からの借入金」を合わせて購入資金にします。
でも、それだけでは足りない場合にメザニンローンで借り入れると言う方法があります。
メザニンローンは、もし購入した不動産を売って借入を返済するとなった場合に、返済順位が「銀行等から借入」(シニアローン)より低いものを言います。
シニアローンより返済順位が劣後すると言う意味で、「劣後ローン」と呼ばれたりもします。
もちろん、借り入れでは無い「資本金等」(エクイティ)より返済順位は上です。
このため、返済順位からみて、エクイティとシニアローンの2階建ての資金調達の中間に相当すると言う意味でメザニン(中2階)ローンと呼ばれています。
なお、メザニンローンは銀行等からの借入(シニアローン)より高い利回りの借入になります。
メザニンローン債権に投資するということは、その高い利回りの利息収入を得ることを意味します。
ただし、返済順位が低いローンですので、スターアジア投資法人ではリスクを抑えるために下記の投資基準を定めています。
投資基準はメザニンローン債券の
・投資額は総資産の5%以内
・対象資産はスターアジア不動産投資法人の不動産投資基準と合致していること
・対象資産はシニアローンを合わせた借入が85%以内であること
・利率は原則として4%以上
であること。
J-REITは単に不動産に投資するだけでは無く、このような投資先もあるんですね。
スターアジア投資法人は多彩な投資戦略を持っていると言えるのではないでしょうか。
引用元:平成29年12月20日 スターアジア投資法人 メザニンローン債権への投資決定に係るお知らせ(リンク)
スターアジア投資法人の今後の投資先
スターアジア投資法人の第10期(2021年1月期)決算説明会資料によると主な優先交渉権保有物件は
・オフィス:3件
・住宅:2件
・商業施設:1件
・学生専用レジデンス:2件
となっています。
学生専用レジデンスとは学生専用マンションのことです。
学生専用マンションであれば
・入退去の時期が決まっており効率良く運営できる
・景気に左右されにくい
・入居者の属性も確か
など、安定的な収益をあげられるのではないでしょうか。
学生専用マンションような投資先に目をつけるのもスターアジア投資法人の多彩な投資方針の1つですね。
以上、参考になれば幸いです。
J-REITについては野村不動産マスターファンドの記事も書いています。
【最大の総合型J-REIT】野村不動産マスターファンド(3462)とは