J-REITの中で常に利回り上位の銘柄となっているトーセイ・リート投資法人をご存じでしょうか。
3種類の不動産を保有する総合型J-REITで、主に東京圏の中小のオフィス、住宅に投資しています。
トーセイ・リート投資法人の理念は
「日本の不動産市場に存在する「膨大な既存建築ストック」の活用・再生」
です。
この理念に基づき、築年数が経過した不動産を取得してバリューアップを行い、資産価値や収益性の向上を行うことを得意としています。
中小規模でバリューアップ重視だと成長性は低いのでしょうか。
目立った物件を持たないJ-REITですが、上場から7年で
- 資産規模は約4.4倍
- 含み益は約10倍
- 全ての期で予想分配金より増配
など、着実に成長しています。
これは、スポンサーのトーセイ株式会社が、その強みを活かし、手間暇をかけて資産を育てているからと言えます。
投資主でもある筆者が、長期目線で一歩一歩成長している、トーセイ・リート投資法人について紹介します。
- 住宅とオフィスがメインの総合型J-REIT
- 築年数が経過した不動産の価値向上が得意
- 含み益が右肩上がりで分配金は毎期増配
トーセイ・リート投資法人の概要
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
証券コード | 3451 | |
名称 | トーセイ・リート投資法人 | |
上場日 | 2014年11月27日 | |
決算月 | 4月、10月 | |
発行済投資口 | 340,505口 | |
出資総額 | 36,516百万円 | |
1口あたりの出資額 | 107,241円 | |
格付け | A- | JCR |
スポンサー | トーセイ株式会社 |
(2021年10月末時点)
トーセイ・リート投資法人は、2014年11月に上場されました。
資産規模は61銘柄中55番目となっており、小規模なJ-REITです。
決算月は4月と10月で、日本格付け研究所JCRより「A-」の評価を受けています。
この評価は、債務履行の確実性が高いことを示し、一般的に投資適格であることを意味します。
上場来の投資口価格の推移は次の通りです。
(TradingView提供のチャート)
2022年2月2日時点で
- 投資口価格:130,100円
- 予想分配金利回り:5.47%
となっています。
投資口価格は、コロナショックにより大きく下げましたが、2021年には回復しています。
ポートフォリオ
- オフィス:17件
- 商業施設:3件
- 住宅:39件
- オフィス:43.3%
- 商業施設:7.3%
- 住宅:49.4%
- 東京圏:100%
資産のポートフォリオは、東京圏の住宅とオフィスがメインです。
旗艦物件としては
- 関内トーセイビルⅡ
- NU関内ビル
が有りますが、資産全体に占める割合はそれぞれ約5%となっており、大きな物件はありません。
広く浅く、分散されているという感じです。
投資方針
投資対象とする不動産は次の通りです。
- 東京経済圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)
- 中小規模(原則50億円以下)
- オフィス、商業施設、住宅、物流施設
オフィス、住宅、商業施設、物流施設の投資比率は、
不動産種別 | 割合 |
---|---|
オフィス | 70%以下 |
住宅 | 70%以下 |
商業施設 | 20%以下 |
物流施設 | 10%以下 |
となっています。
また、トーセイ・リート投資法人は、理念として
日本の不動産市場に存在する「膨大な既存建築ストック」の活用・再生
を掲げています。
これは、比較的に築年数が経過した不動産に投資を行い、
- 計画的な設備投資による物件価値の向上
- 居住性を良くしてテナント満足度の向上
に取り組んで行くことを意味します。
スポンサー
トーセイ・リート投資法人のスポンサーはトーセイ株式会社です。
トーセイ株式会社は、不動産再生、不動産ファンド、コンサルティング事業等を手掛ける不動産の専門会社です。
創業以来一貫して、東京経済圏への不動産投資を行い実績を上げてきました。
特に東京圏の不動産における目利き力、リーシング力、再生力の3つについて強みを持っています。
トーセイ・リート投資法人は、このスポンサーの強みを活かし、高い稼働率と運用利回りを確保しています。
資産規模、含み益、分配金の成長
築年数が経過した物件を、手間暇かけて長期間に渡り運用していく方針のトーセイリート投資法人ですが、成長性はあるのでしょうか。
資産規模、含み益、分配金の3つの視点でその成長性を見てみます。
資産規模の成長
トーセイ・リート投資法人は、上場から7年で資産を4.4倍に成長させています。
公募増資による物件取得を5回、借入金やトーセイ株式会社への第三者割当による物件取得を5回実施し規模を拡大してきました。
特に借入金による物件取得は、投資口を増やすことなく、全体の価値が向上しますので、資産が成長していると言えますね。
含み益の成長
含み益とは、実際の物件価値から取得価格を引いたものであり、売却すればすぐに利益が得られる状態を表します。
トーセイ・リート投資法人は、上場から7年で含み益を約10倍、資産における含み益率を約2.4倍の15.8%まで高めました。
不動産の賃貸料収入だけでは無く、売却による収益も上げることが可能です。
不動産のバリューアップを得意とするトーセイリートの強みを活かしていると言えますね。
分配金の成長
投資主として一番気になるのは分配金です。
トーセイ・リート投資法人は
- 上場来の全ての期で増配
- 予想分配金も年々増加
となっています。
予想分配金から増配すると言うことは、分配金の利回りは予想より実際の方が高いということです。
また、予想分配金が年々増加するということは、それだけ資産価値が向上し、賃料収入がアップしていることになります。
このように、トーセイ・リート投資法人は着実に成長しているJ-REITと言えますね。
まとめ
- 東京圏の中小住宅とオフィスに投資
- バリューアップによる価値向上が得意
- 上場来、着実に成長を続けている
トーセイ・リート投資法人が着実に成長しているJ-REITであることを紹介しました。
住宅は景気に左右されにくい不動産の1つです。
中小のオフィスは、近年の働き方改革に伴うリモートワーク化に即していると思います。
割安なタイミングが来たら検討したい銘柄ですね。
以上、参考になれば幸いです。
ザイマックス・リート投資法人についても記事を書いています。
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