先進国や新興国、米国などの数多くのインデックスファンドが販売されています。
eMAXIS slimやSBI、ニッセイなどいろいろな名前のインデックスファンドがありますよね。
地域を対象としたインデックスファンドは、名前が違っても指数が同じであることが多く、値動きも似てきます。
でも、全世界株式インデックスファンドは、異なる指数で構成されいる場合も多く、国や地域への投資比率が違ってきます。
このため、ファンドにより値動きにも違いが出ます。
では、どのインデックスファンドが良いのでしょうか。
運用コストの低いファンドを選ぶことが基本ですが、実際の経費を比較するのは難しい。
また、過去の値動きを比較することも多いですが、スタート地点をどこにするかで、結果が変わります。
ですので、5つの全世界株式インデックスファンドに実際に積立投資を行い比較してみました。
- 米国が多く日本が少ないものが人気
- 信託報酬や経費率はSBIが優秀
- 実際の運用益はeMAXIS(除く日本)
全世界株式インデックスの特徴
今回、比較するのは、次の5つです。
- SBI全世界株式インデックスファンド
- eMAXIS slim全世界株式
(オールカントリー)
(3地域均等型)
(除く日本) - ニッセイ世界株式ファンド
(GDP型バスケット)
どれも、設定から5年以内の新しいファンドですが、信託報酬が低く人気があります。
ファンドの規模と国や地域別の投資割合を比較してみました。
全世界株式インデックスファンド | 純資産額率 (注1) | 投資割合 (米国) | 投資割合 (日本) | 投資割合 (他先進国) | 投資割合 (新興国) |
---|---|---|---|---|---|
SBI全世界株式インデックス ファンド | 約1979億円 | 60% | 6% | 24% | 10% |
eMAXIS slim全世界株式 (オールカントリー) | 約31560億円 | 61% | 5% | 22% | 11% |
eMAXIS slim全世界株式 (3地域均等型) | 約145億円 | 25% | 33% | 9% | 33% |
eMAXIS slim全世界株式 (除く日本) | 約4720億円 | 65% | 0% | 23% | 12% |
ニッセイ世界株式ファンド (GDP型バスケット)(注2) | 約21.8億円 | 39% | 5% | 15% | 41% |
注1:2024年5月8日時点、楽天証券 投信スーパーサーチより
注2:投資割合は2022年11月21日時点(運用報告書より)
純資産額が多く、1番人気なのは
- eMAXIS slim全世界株式(オールカントリー)
2番目は
- eMAXIS slim全世界株式(除く日本)
です。
国や地域別の投資割合でみると、米国比率が高く、日本の割合が少ないファンドが人気と言えます。
全世界株式といえども、経済大国である米国の成長性を重要視している方が多いということではないでしょうか。
全世界株式インデックスのコスト
5つの全世界株式インデックスファンドの信託報酬と運用コストを含めた総経費率を比較します。
全世界株式インデックスファンド | 信託報酬率 | 総経費率 | 運用期間 |
---|---|---|---|
SBI全世界株式インデックスファンド (愛称:雪だるま) | 0.1102% | 0.11% | 2022年11月15日~2023年11月13日 |
eMAXIS slim全世界株式 (オールカントリー) | 0.1133% | 0.15% | 2022年4月26日~2023年4月25日 |
eMAXIS slim全世界株式 (3地域均等型) | 0.1133% | 0.16% | 2022年4月26日~2023年4月25日 |
eMAXIS slim全世界株式 (除く日本) | 0.1133% | 0.15% | 2022年4月26日~2023年4月25日 |
ニッセイ世界株式ファンド (GDP型バスケット) | 0.1144% | 0.23% | 2022年11月22日~2023年11月20日 |
(各ファンドの運用報告書より引用)
今回比較する5つの全世界株式インデックスファンドは信託報酬の最も低いものです。
総経費率を比べると「SBI全世界株式インデックスファンド」が優秀。
しかし、総経費率は対象となる運用期間が異なるため単純に比較はできません。
「ニッセイ世界株式ファンド」を除いて、総経費率の差は0.06%以内ですので、損益には大きな影響はないと思います。
全世界株式インデックスの投資結果
投資する国や地域の比率や運用コストに違いのある全世界株式インデックスファンドですが運用成績にどのような違いがでるのでしょうか。
5つのファンドに積立投資をして比較しました。
積立条件は
- 積立開始:2021年4月20日
- 積立金額:毎月20日毎に1,000円
です。
3か月後の運用成績
2021年7月31日時点の運用成績は次の通りです。
積立開始から約3か月がたちました。
投資金額は4,000円(積立4回分)、積立額に対する利回りは+0.75%~+3.98%となります。
ファンドにより3%以上の差が出ました。
利益が一番高いのは
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
です。
特徴は、米国の投資比率が高く、日本への投資が無いことです。
他のファンドも国や地域別の投資割合の違いにより、運用益に違いが出ていますね。
ここ3か月は、米国株が堅調で、日本株が振るわなかったということ表しています。
6か月後の運用成績
2021年10月30日時点の運用成績です。
積立開始から約6か月経ちました。
投資金額は7,000円(積立7回分)、積立額に対する利回りは+5.07%~+8.66%となります。
ファンドにより3.6%程度の差が出ました。
利益が一番高いのは、引き続き
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
です。
相変わらず、米国株が堅調で、日本株が振るわない状況だったことになります。
9か月後の運用成績
2022年1月31日時点の運用成績は次の通りです。
積立開始から約9か月経ちました。
投資金額は10,000円(積立10回分)、積立額に対する利回りは-1.43%~+0.98%となります。
ファンドにより2.4%程度の差が出ました。
利益が一番高いのは、引き続き
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
です。
世界的に株価が調整局面に入りましたが、米国比率が多く、日本比率が少ない方が有利な状況といえます。
1年後の運用成績
2022年4月30日時点の運用成績は次の通りです。
積立開始から約1年経ちました。
投資金額は13,000円(積立13回分)、積立額に対する利回りは+0.68%~+5.35%となります。
ファンドにより約4.7%の差が出ました。
利益が一番高いのは、引き続き
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
です。
円安が進み運用益が増えましたが、日本株は為替差益の恩恵を受けることができません。
日本比率が少ない方が有利な状況ですね。
1年3か月後の運用成績
2022年7月31日時点の運用成績は次の通りです。
積立開始から約1年3か月経ちました。
投資金額は16,000円(積立16回分)、積立額に対する利回りは+2.23%~+6.06%となります。
ファンドにより約3.8%の差が出ました。
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)の利回りが良くない状況です。
新興国株の低迷が原因だと思います。
利益が一番高いのは、引き続き
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
となりました。
1年6か月後の運用成績
2022年10月31日時点の運用成績は次の通りです。
積立開始から約1年6か月経ちました。
投資金額は19,000円(積立19回分)、積立額に対する利回りは+0.23%~+6.01%となります。
ファンドにより約5.8%の差が出ました。
差が大きくなりましたね。
新興国株の大きく下がっているのが原因だと思います。
利益が一番高いのは、やはり
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
です。
1年9か月後の運用成績
2023年1月31日時点の運用成績は次の通りです。
積立開始から約1年9か月経ちました。
投資金額は22,000円(積立22回分)、積立額に対する利回りは+3.78%~+4.86%(年利)となります。
インデックスファンドによる年利回りの差は約1.1%に縮小しました。
新興国株が復調してきたのだと思います。
利益が一番高いのは、相変わらず
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
です。
2年後の運用成績
2023年4月30日時点の運用成績は次の通りです。
積立開始から約2年経ちました。
投資金額は25,000円(積立25回分)、積立額に対する利回りは+4.23%~+8.03%となります。
ファンドによる年利回りの差は約3.8%です。
利益が一番高いのは、相変わらず
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
です。
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)もほとんど変わらない利益です。
実際の投資結果は(除く日本)
- 人気はeMAXIS(オルカン)
- 総経費率はSBIが優秀
- 利回りが高いのはeMAXIS(除く日本)
私が2年間、積立投資を行った結果は
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
の2つが良い結果となりました。
全世界株式インデックスファンドを選ぶ場合は、日本と新興国の割合をどうするかで判断すると良いと思います。
しかし、どの程度の割合が良いかは、その時々により変わります。
以上、参考になれば幸いです。
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投資枠の考え方や投資対象など、旧NISAとは異なるため、新たな戦略が必要です。
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