5つの全世界株式インデックスファンド、国・地域別の投資割合の違い

全世界株式インデックスファンドの国・地域の割合の違い 外国株(インデックス)

※当記事はプロモーションを含みます。

最近、つみたてNISAなどを活用して長期投資を始める方が増えているようです。

長期で積み立てる場合には、日本だけでは無く、人口増加や経済成長が見込まれる外国株に投資したい方も多いと思います。

ひろに
ひろに

でも、将来、どの国が成長しているかは誰にもわかりませんよね。

せっかく長い間投資したのに、使う時になって、「資産が減った」、「全然増えなかった」、というのは避けたいものです。

こんな要望にこたえて、世界全体に投資する投資信託(全世界株式インデックスファンド)が数多く販売されています。

全世界に丸ごと投資すれば、国を選ぶ必要はありません。

また、分散投資によりリスクも低減されます。

世界全体は長期に渡り成長していくと考えれば、最善の投資方法かもしれません。

でも、全世界株式インデックスと名の付くファンドでも、その中身(投資割合)は少し違います。

5つの全世界株式インデックスに投資する筆者が、国、地域別の割合の違いを紹介します。

  • 米国重視は(除く日本)
  • 新興国重視ならニッセイ
  • 日本の割合を高めるなら(3地域均等型)
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全世界株式インデックスファンドの指数

つみたてNISAも活用できる「全世界株式インデックスファンド」のなかで、信託報酬の低いものを5つ取り上げてみました。

いずれも大手ネット証券などで購入可能です。

全世界株式インデックスファンド信託報酬純資産額指数(対象インデックス)
SBI全世界株式
インデックスファンド
0.1102%1552億円FTSEグローバル・オールキャップ
eMAXIS Slim全世界株式
(オールカントリー)
0.05575%18138億円日 本:MSCIジャパン
先進国:MSCIコクサイ
新興国:MSCIエマージング・マーケット
eMAXIS Slim全世界株式
(3地域均等型)
0.05575%99.7億円日 本:東証株価指数(TOPIX)
先進国:MSCIコクサイ
新興国:MSCIエマージング・マーケット
eMAXIS Slim全世界株式
(除く日本)
0.05575%3558億円先進国:MSCIコクサイ
新興国:MSCIエマージング・マーケット
<購入・換金手数料なし>
ニッセイ世界株式ファンド
(GDP型バスケット)
0.1144%18.4億円日 本:東証株価指数(TOPIX)
先進国:MSCIコクサイ
新興国:MSCIエマージング・マーケット

(2024年1月5日時点 楽天証券 投信スーパーサーチ調べ)

一番人気は、

  • eMAXIS Slim全世界株式
    (オールカントリー)

となっています。

信託報酬が一番低いのも

  • eMAXIS Slim全世界株式

ですね。

しかし、各ファンドは、ベンチマークとなる指数(対象インデックス)が異なっています。

それぞれの違いを見てみましょう。

FTSEグローバル・オールキャップ

「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」で採用されている指数です。

  • 投資地域:全世界
  • 投資対象:大型株、中型株、小型株
  • 銘柄数:約8,000銘柄(2020年11月末)

小型株を含み、世界全体に幅広く投資する株価指数です。

MSCIジャパン

「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」に採用されている指数の一つです。

  • 投資地域:日本
  • 投資対象:大型株、中型株
  • 銘柄数:321銘柄(2018年4月末)

日本の大型株、中型株を対象にした指数です。

投資銘柄には、J-REIT8銘柄も含まれています。

MSCIコクサイ

eMAXIS Slimシリーズなど数多くのファンドで採用されている指数です。

  • 投資地域:日本を除く先進国(22カ国)
  • 対象銘柄:大型株、中型株
  • 銘柄数:1,327銘柄(2018年4月末)

先進国市場で時価総額の約85%をカバーする指数です。

MSCIエマージング・マーケット

エマージングとは「新らたに発生した」(新興)と言う意味です。

  • 投資地域:新興国(24カ国)
  • 投資対象:大型株、中型株
  • 銘柄数:845銘柄(2018年4月末)

新興国には韓国が含まれており、時価総額の約85%をカバーしています。

東証株価指数(TOPIX)

日本の東証第一部に上場する全株式を対象とした指数です。

  • 投資地域:日本
  • 投資対象:大型株、中型株、小型株
  • 銘柄数:2,192銘柄(2021年2月末)

日本の株式市場の時価総額の約97%をカバーします。

MSCIの各インデックスの内容は「MSCI指数ハンドブック」から引用しています。

国、地域別の投資割合

一口に全世界株式インデックスファンドといっても、採用している指数が少しずつ違っており、投資対象に特徴があります。

それぞれの全世界株式インデックスファンドにおける国、地域別の投資比率を見てみます。

SBI全世界株式インデックスファンド

FTSCグローバル・オールキャップ・インデックスに連動することを目標にしたファンドです。

なお、このファンドは市場を「米国」、「米国を除く先進国」、「新興国」の3つに区分けし、3つのETFに投資しています。

投資割合は次の通りです。(2022年2月時点)

市場区分投資対象ファンド投資割合
米国バンガード・トータル・ストック
マーケットETF
60%
先進国※SPDR ポートフォリオ・
ディベロップド・ワールド(除く米国) ETF
30%
新興国SPDR ポートフォリオ・
エマージングマーケッツ ETF
10%

(※先進国は米国を除く)

この3つのETFを組み合わせることにより、 FTSCグローバル・オールキャップ・インデックスと同じ投資対象を実現するファンドです。

国、地域別投資割合は次の通りです。

SBI全世界株式インデックスファンド、国・地域別割合

SBI全世界株式インデックスファンドは、小型株を含めた多く銘柄に投資するファンドといえます。

2021年8月に米国の投資対象ファンドを変更。
(変更前)FTSC グローバル・オールキャップ・インデックス
(変更後)バンガード・トータル・ストックマーケットETF

2022年2月にファンドの投資比率を変更。
米国:55%→60%、他先進国:35%→30%

eMAXIS Slim(オールカントリー)

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は低コストで有名なeMAXIS Slimシリーズの1つ。

「日本を除く他の先進国」、「新興国」、「日本」の3つの市場でMSCIの指数に連動することを目標にしています。

eMAXIS slim全世界株式(オールカントリー)の仕組み
(引用元:eMAXIS slim全世界株式(オール・カントリー)投資信託説明書)

投資割合は次の通りです。(2022年3月末時点)

市場区分投資対象ファンド投資割合
先進国※外国株式インデックスマザーファンド  
(MSCIコクサイ)
83.5%
新興国新興国株式インデックスマザーファンド
(MSCIエマージング・マーケット)
11.1%
日本日本株式インデックスマザーファンド
(MSCIジャパン)
5.4%

(※先進国は日本を除く)

国、地域別投資割合は次の通りです。

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の国・地域別比率

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は、小型株を除く中大型株にバランス良く投資するファンドといえます。

eMAXIS Slim(3地域均等型)

eMAXIS Slim全世界株式インデックスファンド(3地域均等型)もeMAXIS Slimシリーズのファンドです。

オールカントリーと同じく、「日本」、「他の先進国」、「新興国」の3つの市場に投資を行います。

eMAXIS slim全世界株式(3地域均等型)の仕組み
(引用元:eMAXIS slim全世界株式(3地域均等型)投資信託説明書)


オール・カントリーとの違いは次の2つです。

  • 日本株は東証株価指数(TOPIX)に連動
  • 日本、先進国、新興国を均等に投資

通常は時価総額をベースに投資配分するため、米国を含む先進国の投資割合が大きくなり、新興国の投資割合が小さくなります。

このファンドは、まず最初に、「日本」、「他の先進国」、「新興国」の投資割合を3分の1づつと決め、各市場の中で時価総額に基づき投資しています。

日本市場では東証株価指数(TOPIX)を指標としているため、小型株を含めた幅広い投資を行い、

「他の先進国」と「新興国」の市場は大型株と中型株を対象とした投資を行います。

国、地域別の割合は次の通りです。

eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)の国・地域別比率

(2022年3月末時点)

eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)は、日本と新興国の割合が高いファンドとなります。

eMAXIS Slim(除く日本)

eMAXIS Slim全世界株式インデックスファンド(除く日本)もeMAXIS Slimシリーズです。

オールカントリーから日本を除いたファンドになります。

「他の先進国」と「新興国」の2つの市場でMSCIの指数に連動させています。

eMAXIS slim全世界株式(日本を除く)の仕組み
(引用元:eMAXIS slim全世界株式(除く日本)投資信託説明書)

投資割合は次の通りです。 (2022年3月末時点)

市場区分投資対象ファンド投資割合
先進国※外国株式インデックスマザーファンド  
(MSCIコクサイ)
88.3%
新興国新興国株式インデックスマザーファンド
(MSCIエマージング・マーケット)
11.7%

(※先進国は日本を除く)

国、地域別の割合は次の通りです。

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の国・地域別比率

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)は、米国の割合が高いファンドとなっています。

ニッセイ世界株式ファンド

「<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)」は2020年6月の設定された新しいファンドです。

投資指数はeMAXIS slim全世界株式(3地域均等型)と同じです。

違いは「日本」、「他の先進国」、「新興国」への投資割合を名目GDP(国内総生産)の総額比率に基づき決定することです。

ニッセイ世界株式ファンドの仕組み
(図は<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)の投資信託説明書の内容をもとに作成)

投資割合は次の通りです。(2021年11月時点)

市場区分投資対象ファンド投資割合
日本ニッセイ国内株式インデックスファンド
マザーファンド
5%
先進国※ニッセイ外国株式インデックスファンド
マザーファンド
54%
新興国ニッセイ新興国株式インデックスファンド
マザーファンド
41%

(※先進国は日本を除く)

国、地域別の割合は次の通りです。

ニッセイ世界株式ファンド(GDPバスケット)国・地域別比率

ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)は新興国の割合が高く、米国の割合が低いファンドとなります。

全世界株式の国・地域割合はさまざま

5つの全世界株式インデックスファンドについて、採用されている指数や国や地域の投資割合を解説しました。

一口に全世界株式インデックスファンドといっても、国や地域の投資割合は様々です。

米国の割合が大きいのは
  • eMAXIS Slim(除く日本
日本の割合が大きいのは
  • eMAXIS Slim(3地域均等型
日米を除く先進国の割合が大きいのは
  • SBI・全世界株式インデックスファンド
新興国の割合が大きいのは
  • ニッセイ世界株式ファンド

ということがわかりました。

今回紹介した5つのファンドは、運用コストである信託報酬にほとんど差はありません。

全世界株式インデックスファンドはどの国や地域に重点を置くかで選んで見てはいかがでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。


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