【インフラファンド】太陽光発電の出力制御ルールとは

【インフラファンド】太陽光発電の出力制限ルールとは インフラファンド

※当記事はプロモーションを含みます。

電気は貯めておくことが難しく、消費量に合わせて発電量をコントロールする必要があります。

でも、天候に左右される太陽光や風力は、発電量をコントロールすることも一定量に保つことも難しいですよね。

ですので、太陽光の場合は、発電を止めることにより発電量をコントロールすることになります。

これが、太陽光発電の出力制御ルールです。

ひろに
ひろに

でも、発電を止められてしまうと太陽光発電の収益が減ってしまいます。

太陽光発電の出力制御は、固定価格買取制度(FIT)の適用を受ける事業者が、無補償で応じる義務として始まりました。

当初は、年間30日や360時間までなどの上限がありましたが、太陽光発電の導入が進むにつれ、制限が撤廃されています。

でも、最初に上限のあるルールが適用された発電所は、そのままのルールで発電を続けることができます。

それなら、条件の良い出力制御ルールを持つ太陽光発電所を保有すると、収益の減少が避けられますよね。

2018年からインフラファンドによる太陽光発電投資を行っている筆者が出力制御ルールについて説明します。

・太陽光の優先順位は4番目
・出力制御には上限がある場合も
・インフラファンドの多くは30日ルール

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出力制御とは

太陽光発電の出力制御

出力制御とは、電力会社から発電設備に対し出力を停止又は減らすように要請して、電力の供給量をコントロールすることをいいます。

各電力会社では、前日に出力制御の見通しを提示して、出力を停止させる発電所を選定します。

これまでは、現地操作により発電所を停止してきましたが、より柔軟な制御を行うため、オンライン化が進められています。

なぜ出力制御が必要か

太陽光発電において出力制御が必要な理由は次の2つです。

  • 電気の需要と供給を一致させるため
  • 送電線の容量を超えないようにするため

電気は貯めて置くことが難しいため、刻々と変化する電力需要に合わせて、発電量をコントロールする必要があります。

しかし、太陽光発電は、日射量に応じて発電されるため、需要に合わせた発電ができません。

このため、発電量が増えすぎた場合には、出力を停止する必要があります。

また、太陽光発電は全ての発電所で、日中に発電量のピークを迎えます。

送電線には、電気を送る量の上限があり、これを超えると破損のする可能性がありますので、上限を超えないように出力制御を行う必要があります。

優先給電ルール

発電所には、火力や水力、原子力など様々な種類があります。

火力は発電量の調整が容易な方式ですが、水力や原子力、地熱は、発電量のコントロールが難しく、停止させることも急には出来ません。

太陽光や風力は天候によって発電量が頻繁に変わり、発電量を一定に保つことが難しい方式です。

このように発電所の種類により様々な特性があるため、法令等により、出力を制御していく優先順位が決められています。

「優先給電ルール」

発電量が電力消費量や送電線の容量を上回る場合に次の順番で出力制御を行う。

  1. 火力発電の出力制御、揚水発電の活用
  2. 他地域への送電
  3. バイオマス発電の出力制御
  4. 太陽光、風力発電の出力制御
  5. 水力、原子力、地熱発電の出力制御

引用元:資源エネルギー庁 なるほど!グリッド(リンク

揚水発電とは、余った電気で貯水池に水をくみ上げ、電気が足りない時に貯水池の水を流し、発電する設備です。

太陽光発電の出力制限の優先度は、4番目ですが、

  • 太陽光発電の導入が進んだこと
  • 晴れた日の昼間に集中して発電

のため、九州で、2018年から出力制御が実施されています。

全国的に太陽光発電の導入が進み、2022年には、北海道、東北、中国、四国でも初めて出力制御が実施されました。

今後もさらに導入が進み、出力制御が行われる回数が増えていくと予想されています。

では、太陽光発電の出力制御が行われる場合は、どの発電所でも無制限に出力制御されてしまうのでしょうか。

太陽光発電の出力制御ルールを見てみます。

太陽光発電の出力制御ルール

太陽光パネル

太陽光発電の導入を進めるため、固定価格買取制度(FIT)が誕生しました。

しかし、出力制御が行われると導入をためらう事業者も出てきます。

そこで、一定の枠をもうけ、出力制御が行える上限が定められました。

FIT制度が適用される太陽光発電所は、この上限の範囲内で無補償で出力制御に応じることが義務付けられています。

出力制御ルールの詳細を見てみます。

当初ルール(旧ルール)

  • 年間30日、無補償で発電所の出力を抑制
  • 出力500kW以上の発電所に適用される
  • 東北電力は2014年9月30日まで、
    四国電力は2014年12月2日まで、
    その他の電力会社は2015年1月25日までのFIT契約申込みが対象

新ルール

  • 年間360時間、無補償で発電所の出力を抑制
  • 東京、中部、関西電力
    出力500kW以上に適用後、50kW以上に拡大
  • 北陸電力
    出力500kW以上に適用後、10kW以上に拡大
  • 中国電力
    出力50kW以上に適用後、10kW以上に拡大
  • 四国電力は当初から全ての発電所に適用
    (住宅などの10kW未満については除外)
  • 四国電力は2014年12月3日から、その他の電力会社は2015年1月26日からのFIT契約申し込みに適用

各電力会社の出力制御ルール枠

上限のある出力制御ルールが適用される太陽光発電所は、電力会社毎に契約枠があります。

電力会社発電出力備考
北海道117万kWまですでに超過
東北552万kWまですでに超過
北陸110万kWまですでに超過
中国660万kWまですでに超過
四国257万kWまですでに超過
九州817万kWまですでに超過
沖縄49.5万kWまで

なお、東京、中部、関西電力は枠が定められておりません。

つまり、必ず上限のある出力制御ルールで契約できます。(2021年3月31日まで)

また、沖縄電力を除く6社は既に枠を使い切りました。

契約枠を超過した場合は、指定ルールが適用され、無制限、無補償で出力制限に応じることが義務づけられます。

そして、太陽光発電の導入が進んだこともあり、2021年に法律が改正され、全ての地域で出力制御ルールが撤廃されました。

2021年4月1日以降のFIT契約は、全ての地域で、無制限、無補償で出力制限に応じることが義務づけられます。

<各電力会社ごとの出力制限ルールの適用>

出力制御ルールの推移

なお、一度、上限のある出力制御ルールの適用を受けた発電所は、引き続き、そのルールが適用されます。

ですので、適用を受けている太陽光発電所は、出力制御が頻繁に行われても影響を抑えることができます。

インフラファンドの出力制御ルール

インフラファンドの保有する太陽光発電所の出力制御ルールはどうなっているのでしょうか。

<インフラファンドの出力制御ルール適用数>

コードインフラファンド30日
ルール
360時間
ルール
指定ルール
(無制限)
出力制御
対象外
参照した
有価証券報告書
9281タカラレーベン28か所3か所1か所2020年11月
9282いちごグリーン14か所1か所2020年6月
9283日本再生可能エネルギー26か所8か所12か所2021年1月
9284カナディアン・ソーラー19か所2か所4か所2020年12月
9285東京インフラ・エネルギー8か所1か所2か所2020年6月
9286エネクス6か所2020年11月
9287ジャパン・インフラファンド9か所6か所2020年11月

インフラファンドの保有する太陽光発電所の約90%は、出力制御の上限が定めているか出力制御の対象外となっています。

なお、次の3銘柄、

  • タカラレーベン
  • 日本再生可能エネルギー
  • カナディアン・ソーラ

では、無制限、無補償の出力制御が義務付けられる指定ルールの太陽光発電所を保有しています。

タカラレーベンの指定ルール適用発電所は九州にある「LS 長崎諫早発電所」です。

2021年に36回の出力制御が実施されました。

日本再生可能エネルギーとカナディアン・ソーラの指定ルール適用発電所は、北海道と東北にあります。

東京インフラ・エネルギーが保有するの出力制御対象外の発電所は、出力500kW未満のものです。

上限のある出力制御ルールが有利

太陽光発電における出力制御ルールとインフラファンドの適用状況について解説しました。

太陽光発電の出力制御ルールは
  • 太陽光発電所の出力制御は増える傾向
  • インフラファンドの30日が上限
  • 新しくできる発電所は無制限で適用

九州では2018年から太陽光発電の出力制御が行われており、その頻度は年々増えています。

2022年には北海道、東北、中国、四国でも出力制御が初めて行われました。

今後は、各地の太陽光発電所で出力制御が行われ、頻度も増えてくると思われます。

そうなると、上限のある出力制御ルールが適用されている太陽光発電所は収益の面でも有利となります。

インフラファンドを選ぶ際には、保有する太陽光発電所の出力制御ルールを確認する必要がありますね。

以上、参考になれば幸いです。